4世代8人国際家族の文鮮明、韓鶴子夫妻に学ぶエッセイ                                      文鮮明師御夫妻のみ言と生きざまに学ぶエッセイ

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嘘のようで本当の話

              東京の空

電車の中で読書するのが好きな私に、ひとつ困ることがある。
それは、読んでいておかしくて笑いをこらえるときとか、感動して涙が止まらないときである。
いずれも、ぽろぽろ涙が出てしまう。

先日読んだ本の中から、水上政吉さんの書かれた『ドロボウどの』という、
嘘のようで本当のお話を要約して紹介しましょう。

                *

昭和44年の秋、私は北海道の僻地の小さな学校の校長をしていました。
公務のため30キロ離れた市庁へ出かけた、その帰り道。
暗い山道の道路わきに、油まみれになって40位の男がバイクを修理していた。
「どうしたんだね!」
「・・・・動かなくなったんだ!」
「えらく汚れたね」
「どうしらいいかわからねぇんだ」
「グズグズしてると暗くなるよ」

ひと一人通らない山道だ。
困っている人があれば黙っておけないのが僻地だ。

「私の所においで、家はすぐそこだから」と誘うとすぐに応じた。
「家で風呂にでも入ってすっきりして、あとで車で送ってやるから」と、この無口な男を連れて帰った。

バイクの油でズボンも手も真黒な男を、真っ先に風呂に入れ、その間に酒も用意して待った。
男はすっかり綺麗になった。
弾んだ会話もなく、お銚子も3本目に入って、酒を勧めているこちらの方が酔ってしまった。

そこへ
「校長先生! 校長先生ンとこに泥棒おらんけ?」と隣の集落の紺野さんが飛び込んできた。
中を見るなり 「そいつだよ!そいつがうちのバイクに盗ったんだ!」

「えーっ? あんた、あのバイク自分のでないのか?」
「・・・・」

「黙ってないで、何とか言えよ、いまなら堪忍するからさ!」
「・・・・」

「あんた盗んだのか、したら泥棒やないかい」

男は押し黙って一言も言わない。
時間が経つうちに騒ぎを聞きつけて、近くの人が集まってきた。

「こんな図々しいの、駐在さんに電話したらいいんだ!」気の早い人が駐在所に電話した。
しばらくして、みんな表に飛び出して駐在さんを出迎えた。

さて、駐在さんを家の中に通すと、どうしたことか無口男の姿がない。
勝手口から逃げたらしい。外はすっかり暗くなっていた。
駐在さんは「後追いしない方がいい、刃物でも持ってるかもしれんからね」と言って帰って行った。

その翌日のことである。
母親に連れられて、昨夜の無口男が神妙な顔してその後ろに小さくなっていた。
バナナの房を持ってタクシーでやってきたのである。

話によると、あれから真っ暗な山道をトボトボ歩いていると車が来て止まった。
あの駐在さんの車で、駐在さんは住所を聞くと釧路の住宅まで送ってくれたという。

その車の中で、優しい駐在さんの話に男はすっかり感激して、
昨夜のお詫びに来たというわけであった。

駐在さんが犯人を自宅まで送ったという話など聞いたことがない。
けれど、人の罪をあばくだけでなく、温かい心で罪を許し、
更生の道を歩ませた駐在さんの力は本当に大きいと思った。

                    ***

今、この話の原稿を書きながら傍らにいた母にこの話してあげると
「悪いことした人だとわかっても、優しくしてあげる駐在さんは偉いね~」
「おかげで、この男の人はもう二度と悪いことしないと思うよ」とニコニコして言った。

「人をごまかすような人間でも、相手に心から信頼され正直で公正な人間として扱われると
不正な事は出来ません。(人の美しい心情に呼びかけます。)」


「真理で相手を正したりするものではなく、相手を許し愛する事だけです」という言葉があります。

日常の生活の中で、相手の立場に立って、同情と寛容と忍耐をもって、
すべてを許すのですから、愛することより許すことの方が難しいと感じることがあります。

きょうのお話は昭和44年の出来事ですが、
今でもこんな駐在さんが私たちの周りにたくさんいるかもしれませんね。


*****************************************

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コメント
No title
昭和44年だと私が小学生の頃ですね。
懐かしい思い出がたくさんあります。
今から思えばほんと良き時代でした。
そんな時代のお話とても心温まるお話ですね~。
バイクを盗んだ人ももしかしたら本意ではなかったのかも知れませんね・・・・。
彼がどうして釧路からそんな田舎に来たのか??
何か考える事があっての事かもしれませんね・・・。
何もない田舎道をとぼとぼ歩いて途方にくれていた時に
たまたまバイクが目に留まったのかも知れません。
ほんとはバイクを盗むなんてこれっぽつちも思ってもいなかったかもしれないのに日が暮れて暗い山道を歩いていて
不安になった時にそこにバイクがあっただけかもしれません。盗む事は絶対イケない事だけど善と悪の気持ちが交互にささやき悪の気持ちに負けてしまったのかもしれません・・。幸いバイクが故障して校長先生に出会い
家で色々とお世話になり彼なりに心が痛かったと思います。
だから一言も話す事が出来なかったのではないでしょうか・・・。
それに輪をかけて駐在さんの優しさが彼の心に温かく染み込んでいったんでしょうね。。
彼はこの日彼の為に準備された校長先生と駐在さんに出会う為にこの地に降り立ちバイクを盗むという悪い事をしてのかもしれませんね・・・・。
人と人との出会いには必ず意味があるんですね~。
そう思うと私の周りにいるお友達や日々出会う人たちも
きっと神様が私に与えてくださった方たちなのですね!!


余談ですが40歳位の男性がお母さんに付き添われて
挨拶に来るなんてちょつと驚きというか笑ってしまう感じです。それくらい気の弱い傷心者の男性だったのかもしれませんね~。
手土産がバナナというのも時代をかんじますね(笑)

話がずれてますね・・・。ごめんなさい(;一_一)
2009/09/06(日) 22:50 | URL | あさひ #uvrEXygI[ 編集]
コメント素晴らしい!!
あさひ様

素晴らしいコメントありがとうございます!
この時代、車を持っているのは、校長先生と駐在さんくらいだったそうです。
あさひさんの推測から、田舎道をとぼとぼ歩く男の人の気持ちや事情がよく理解できます。

どんな人(たとえ悪党)でも神様が与えてくださった良心を持っています。
目に見えない内的なものを見なで外的なことばかりを見たら間違ってしまいますね。
その目に見えない良心(美しい心情)に呼びかけて行きたいです。

ちなみに、私は昭和44年には16歳でした。
信州の山の中に住んでいましたので、家から学校にはバスで通いました。
クラブ活動で遅くなるとバスがなくなって、5キロの真っ暗な道を1人で歩いて帰りました。
遠くから車のライトが見えると、「どこまで行くの? 乗って行きなさい」と声を掛けられるのが怖くて道路脇に隠れた思い出があります。
2009/09/07(月) 07:48 | URL | sato family #4Ba.rHU.[ 編集]
最近ラブラブ
最近は「あさひ」さんとラブラブで羨ましい限りで・・・。

「遠くから車のライトが見えると」・・・それは私の車です。その付近を走ると異様な雰囲気を感じたのはそのせいだったのですね(恐ろしやー)。
2009/09/08(火) 01:36 | URL | 応援鯛 #-[ 編集]
Re: 最近ラブラブ
応援鯛さん

何をすねているんですか?
最近応援鯛さんが遊びに来ないから寂しかったよ。
(仕事お忙しそうですねぇ)

でもね! あさひさんが励ましてくれたので嬉しいですよ。

所で、あの車にはカッパ沼(女神湖)周辺のホテル建設工事の
怖そうなオジサン達がたくさん乗っていました。
私もあのころは、いちおう純真な乙女だったんですけど・・・。



2009/09/08(火) 07:51 | URL | sato family #-[ 編集]
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プロフィール

sato family

Author:sato family
名前:sato family
4世代、8人国際家族と犬一匹
長野県出身の東京都在住
宣教師

著書:『心を甦(い)かして』(文芸社)
  『成功と幸福を呼ぶ不思議な言葉集』
 

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